福岡工業大学の小型衛星「FITSAT-1」のLED発光実験を観測するための情報を非公式に発信します

12月11日早朝のLEDモールス発信実験の観測結果について

update 2012/12/11

12月11日02時18分ごろより2分間、FITSATの発光実験が行われました。
岡山県井原市より双眼鏡による眼視観測と、写真撮影に成功しましたのでご報告いたします。今後、観測にトライする方はご参考になさってください。

12月11日早朝の発行実験において観測がしやすかった地域を以下に示します。
色が塗られた範囲の中で、FITSATが仰角25度以上で観測可能です。
 ※赤:発光し始め 青:発光終了

12月11日(火)
発光時間:02時18分~02時20分
信号の種類:モールス

双眼鏡での眼視観測について

双眼鏡は11×80(口径80mm、倍率11倍)。ターゲットエリアはふたご座の足下付近。南南西、仰角65度ぐらい。追跡時間は02時18分50秒から02時19分10秒まで。

明るさは7~8等ぐらいだった
色までは分からなかった
「Heavensat」の予報はぴったりだった
モールス発信の短点と長点の違いは明らかにわかった
11×80で余裕があった。一般的な7×50の双眼鏡でも見込みがあるのではないか。
最も強く感じたことは,空のできるだけ暗いところで見ないと,FITSATは見つけづらそうだということ。
視野内の夜空の背景が十分に暗く
視野内にたくさん星が見えている方が
視野の中に飛び込んでくるFITSATが際だって,見つけやすくなりそうです。

短焦点望遠鏡での写真観測について

ターゲットエリアはこいぬ座周辺。真南、仰角57度ぐらい。

日 時:2012年12月11日午前2時19分
場 所:岡山県倉敷市美星町
撮影者:倉敷科学センター
口径10センチ短焦点望遠鏡(F=400mm F4)
赤道儀同架の上,恒星追尾
ニコンD800 ISO12800相当 露出10秒

 ※クリックで拡大

 FITSATの光跡はかなり淡いので、画像を拡大してご覧ください。
 FITSATは画像の右上から左下へ向かって6秒間で写野を横切っています。この日はモールス符号の発光パターンでメッセージ「HI DE NIKAWA JAPAN」(約30秒かかる)を発信しましたが、右上あたりで最後「N」を発信し、1.4秒の間を空けて、メッセージの最初に戻り「H」と「I」を発信している様子がとらえられています。

 ※クリックで拡大

 この日は不運にも直前に薄雲がかかってしまい、FITSATの光跡をかすかにしか写すことができませんでした。最も目立つ短点4連続の「H」の文字あたりをトリミングしてみましたが、オリジナル画像ではまったく分からないと言っていいほど。
 しかし、光跡がLEDの発光色と同じ緑色をしているのが何となく分かります。

 ※クリックで拡大

 分かりやすくするために、白黒反転して強調してみました。

 これ以降の12月11日夕から14日の実験では、10Hz(1秒間に10回点滅)発光が実施される予定です。