福岡工業大学の小型衛星「FITSAT-1」のLED発光実験を観測するための情報を非公式に発信します

FITSAT-1は10センチ四方の超小型衛星

update 2012/11/28  FITSATとは、福岡工業大学の田中卓史教授が立ち上げたプロジェクトチームにより開発された超小型衛星です。愛称として「にわか衛星」という名前でも呼ばれています。
 約10センチ四方の立方体の形状をしていて、重さはわずか1.3キロ。子どもが手で抱えて持てるぐらいコンパクトな人工衛星です。 こうした実験や基礎研究を目的とした小型衛星規格は「Cubesat(キューブサット)」と呼ばれ、FITSATのほかにも各大学や企業でさまざまなアイデアを駆使した開発や運用が取り組まれています。

10月上旬に国際宇宙ステーションから宇宙空間に放出

update 2012/11/28  FITSAT-1は、他の4機のキューブサット衛星とともに2012年7月21日「こうのとり3号機」によりHII-Bロケットで打ち上げられました。数日後、こうのとり3号機は国際宇宙ステーションにドッキング。 滞在中の星出宇宙飛行士の手を介して起動した上で、10月4日から5日にかけてロボットアームを使って宇宙空間に放出されました。
 放出後のFITSATは地球の周りを回りながら、搭載の太陽電池パネルで発電、地上と電波で通信を行いながら数ヶ月にわたってさまざまな実験を行います。

主ミッションのマイクロ波高速通信実験に成功

update 2012/11/28  FITSAT-1の主ミッションは5.8GHz帯のマイクロ波を利用した高速通信の実証実験です。右はFITSATが宇宙空間への放出直後に撮影した画像です。 搭載CMOSカメラがとらえた国際宇宙ステーションを振り返るように撮影したショットも、この帯域を使った通信にて地上に伝送されました。

副ミッションは搭載LEDを発光させての光学観測実験

update 2012/11/28  FITSAT-1の副ミッションとして、約50個搭載された高輝度LEDを発光させ、衛星からの光が地上から確認できるかどうか光学観測実験も行われます。 当サイトが情報発信するのは、主にこの副ミッションに関するものです。
 LEDをモールス信号のように点滅発光させ、"HI DE NIWAKA JAPAN"といった、光のメッセージを届ける実験も予定されています。
 ただし、衛星の明るさは星の明るさでいう7~8等級に相当することが予想されています。人間が目で見ることができる限界の星の明るさは6等級といわれ、FITSATはさらに暗いということになります。 眼視で夜空に輝くFITSATを見つけることは困難かもしません。
 FITSATからの光のメッセージを受け止めるためには、双眼鏡での眼視観測や、望遠レンズを使った写真撮影が有効と考えられています。

地球を周回するFITSAT-1の軌道と発光のタイミング

update 2012/11/28  FITSAT-1は国際宇宙ステーションから放出されたため、宇宙ステーションに極めて近い周回軌道で地球の周りを回っています。地上からの高さは約400キロ。約90分で地球を一周します。
 FITSATのLEDはバッテリー容量の都合で常に光らせておくことができません。そのため日本が夜の時間帯にFITSATが上空を通過する時刻に合わせて発光するよう、地上から指令が与えられます。 発光時間の予告は、適時、福岡工業大学から発表されます。
 FITSATが光っていられる時間は2分程度しかありませんが、FITSATは秒速7.7キロで移動しているため、2分の間に約1000キロを駆け抜けていくことになります。 このため1回発光するチャンスがあれば、おおよそ日本列島の約半分の地域で観測可能になると思われます。

FITSAT-1の発光をとらえる最適の条件とは?

update 2012/11/28  FITSAT-1の内部には磁石が搭載されていて、方位磁針のように地球の磁力線の向きに沿うように姿勢が安定するように設計されています。これは、FITSATの上面に設置されているLEDの面が、 直に日本の方向を向かないということを意味しています。
 日本付近の緯度(北緯35度前後)では、地球の磁力線は伏角45度の向きとなっています。このため、FITSATは45度傾いた姿勢で日本上空を通過していくことになります。FITSATを最も効率よく 明るく観測しようと思えば、理論上、LED面が観測地から見て正面を向く「南の空、仰角45度付近の夜空をFITSATが通過するタイミング」がベストな観測条件となります。しかし、このような 条件でなければ観測できないという訳でもありません。できるだけ多くの条件下で観測が行われ、豊富に観測データが得られることが理想です。ぜひ、多くの方に観測にご参加 いただけることを期待しています。